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【2025年の崖】SAPサポート延長(2025年→2027年)について【DXレポート】

はじめに

2020年2月5日、SAPがサポート延長を発表した。
言わずと知れた「2025年の崖」に関連するため少し情報を整理しておく。

「2025年の崖」とは

経済産業省が発表した「DXレポート」に記載されたことでIT業界に大きな衝撃をもたらした「2025年の崖」。
複合的な理由により、DXを推進しなければ「2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じる」と警告したものである。
この主たる要因のひとつに、「SAP ERP サポート終了」があげられた。

DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~(METI/経済産業省)

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SAPによるサポート延長の発表

2020年2月5日、以下のリリースが行われた。

SAP、SAP S/4HANA®のイノベーションに対するコミットメントを延長し、 SAP® Business Suite 7の保守方針を明確化して選択肢を提供 - SAP Japan プレスルーム

SAP SE(NYSE:SAP)は、SAP S/4HANA®の保守サービスに対する2040年末までのコミットメントを発表しました。また、SAPはSAP® Business Suite 7ソフトウェアのコアアプリケーション[1]のメインストリームメンテナンスを2027年末まで、それに続くオプションの延長保守サービスを2030年末まで提供します。

ポイントはここの注釈[1]の部分にある。

[1]SAP Business Suite 7ソフトウェアのコアアプリケーションにはSAP® ERP 6.0、SAP® Customer Relationship Management 7.0、SAP® Supply Chain Management 7.0、およびSAP® Supplier Relationship Management 7.0アプリケーションと、SAP Business Suite powered by SAP HANA®が含まれます。

2025年の崖として取り上げらた「SAP ERP」のサポートが延長されたということになる。

サポートの種類を整理する。

  • メインストリームメンテナンス
    通常のサポート。従来はこれが2025年までであったが、今回2027年まで延長された。

  • 延長保守サービス
    メインストリームサービスが終了した後の延長用。
    今回はこれが2028年~2030年の3年間利用することが出来る。

  • カスタマー・スペシフィック・メンテナンス
    延長保守サービスの後(2031年)から適用される。
    延長保守サービスを利用しなかった場合、メインストリームメンテナンス後(2028年~)から適用される。

つまり、何かしらのサポートは継続的に利用できるということになる。

2025年の崖はなくなるのか?

結論としては、「なくならない」である。
SAP ERP のサポート終了は、2025年の崖の主要因ではあるものの、要因はこれだけではない。
DXを推進しなければ企業の競争力確保はより難しくなっていくだろう。そして、推進においてはレガシーシステムが足かせになっている状況は変わらない。
SAPのサポート延長は一時的な延命措置であると捉え、これを機にERPも含めたシステム全体の刷新・改善プランをさらに積極的に推進すべきだと考える。